日経平均は続落、景気敏感株売りと想定外の下方修正

2021年10月28日 12時24分

 日経平均は続落。272.62円安の28825.62円(出来高概算6億8000万株)で前場の取引を終えている。

 27日の米株式市場でNYダウは4日ぶりに反落し、266ドル安となった。決算発表のビザが大幅安となり、NYダウの押し下げ役となったほか、最高値圏とあって景気敏感株を中心に利益確定売りが出た。ただ、長期金利の低下に加え、マイクロソフトやアルファベットが好決算で買われたこともあり、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数はほぼ横ばい。本日の日経平均はNYダウが下落した流れを引き継いで226円安からスタートすると、値がさ株のファナック<6954>やエムスリー<2413>が決算を受けて大きく売られたことも下押し要因となり、朝方には28693.06円(405.18円安)まで下落する場面があった。一方、半導体関連株や信越化<4063>の上昇が下支えする形となり、下げが一服すると軟調もみ合いの展開となった。

 個別では、前述のファナックやエムスリー、それに富士通<6702>が決算を受けて大きく下落し、日立<6501>も売り優勢の展開。ファナックは市場の上振れ期待に反して通期営業利益予想を下方修正し、8%を超える下落となっている。その他売買代金上位では、ソフトバンクG<9984>、日本郵政<6178>、郵船<9101>などがさえない。また、大日住薬<4506>も決算がネガティブ視され、東証1部下落率トップとなっている。一方、決算が好感された信越化は3%超上昇しており、SCREEN<7735>は8%を超える上昇。その他売買代金上位では、レーザーテック<6920>や東エレク<8035>、任天堂<
7974>が堅調に推移している。決算発表銘柄ではNRI<4307>なども急伸。また、航空電子<6807>が東証1部上昇率トップとなっている。

 セクターでは、鉱業、石油・石炭製品、鉄鋼などが下落率上位で、その他も全般軟調。一方、空運業、化学、その他製品など5業種が上昇した。東証1部の値下がり銘柄は全体の61%、対して値上がり銘柄は34%となっている。

 本日の日経平均は続落し、200円超の下落で前場を折り返した。日足チャートを見ると、売り一巡後は28800円台に位置する25日移動平均線を挟んでの攻防といった様相。
ファナックとエムスリーの2銘柄で日経平均を約114円押し下げているほか、米株と同様に市況関連を中心とした景気敏感株の軟調ぶりが目立つ。NY原油先物や非鉄金属市況が下落した影響だろう。一方、東エレクやアドバンテス<6857>、信越化が日経平均の下支え役。ここまでの東証1部売買代金は1兆6000億円弱で、決算発表の本格化とともに膨らんできた。

 新興市場ではマザーズ指数が+0.51%と反発。こちらは米市場での長期金利低下やハイテク株高が追い風として働いているのだろう。もっとも、明日29日に決算発表予定のメルカリ<4385>は足元やや調整ぎみ。また、週末には衆院選投開票が控えており、買い持ち高を減らしておきたいという個人投資家も少なくないようだ。

 さて、米株については先週末の当欄で「やや楽観に傾き過ぎている」と指摘したが、やはり少々修正を迫られる動きとなっているようだ。「恐怖指数」とされる米株の変動性指数(VIX)は21日に15.01まで低下していたが、前日には16.98とじりじり上昇。これに伴い、連日で過去最高値を更新していたNYダウやS&P500指数はスピード調整の様相となっている。ただ、景気敏感株に売りが出る一方、ハイテク株に買いが入っており、現時点では過度に警戒する必要はないかもしれない。なお、NY原油先物は在庫増加を受けて下落し、期待インフレ率の指標である10年物ブレークイーブン・インフレ率(BEI)は2.65%(-0.04pt)に低下。また、各国債券市場に大きな動きが見られ、米10年物国債利回りも1.54%(-0.07pt)に低下している。

 日本株はこうした景気敏感株売りの影響を受けるとともに、キヤノン<7751>やファナックなど想定外の業績下方修正が相次いでいる。やはり供給制約の影響は重いと見ておいた方がいいだろう。かねて指摘しているとおり、今年度に入ってからのPBR推移を見ると、日経平均29000円前後は各種懸念を織り込んだ水準とは言いづらい。キヤノンやファナックの株価反応はそれを端的に表しているだろう。

 アジア市場では香港ハンセン指数、上海総合指数とも下落。本日は国内でOLC<4661>、武田薬<4502>、ソニーG<6758>、キーエンス<6861>、HOYA<7741>など160社あまりの決算発表が予定され、海外では欧州中央銀行(ECB)定例理事会や米7-9月期国内総生産(GDP)速報値の発表などが予定されている。引き続き国内企業の業績動向や海外経済、金融政策の行方が注目され、後場の取引では軟調もみ合いが続くとみておきたい。
(小林大純)


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