景気敏感株売りと想定外の下方修正

2021年10月28日 12時28分

[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;28825.62;-272.62TOPIX;1999.86;-13.95


[後場の投資戦略]

 本日の日経平均は続落し、200円超の下落で前場を折り返した。日足チャートを見ると、売り一巡後は28800円台に位置する25日移動平均線を挟んでの攻防といった様相。
ファナックとエムスリーの2銘柄で日経平均を約114円押し下げているほか、米株と同様に市況関連を中心とした景気敏感株の軟調ぶりが目立つ。NY原油先物や非鉄金属市況が下落した影響だろう。一方、東エレクやアドバンテス<6857>、信越化が日経平均の下支え役。ここまでの東証1部売買代金は1兆6000億円弱で、決算発表の本格化とともに膨らんできた。

 新興市場ではマザーズ指数が+0.51%と反発。こちらは米市場での長期金利低下やハイテク株高が追い風として働いているのだろう。もっとも、明日29日に決算発表予定のメルカリ<4385>は足元やや調整ぎみ。また、週末には衆院選投開票が控えており、買い持ち高を減らしておきたいという個人投資家も少なくないようだ。

 さて、米株については先週末の当欄で「やや楽観に傾き過ぎている」と指摘したが、やはり少々修正を迫られる動きとなっているようだ。「恐怖指数」とされる米株の変動性指数(VIX)は21日に15.01まで低下していたが、前日には16.98とじりじり上昇。これに伴い、連日で過去最高値を更新していたNYダウやS&P500指数はスピード調整の様相となっている。ただ、景気敏感株に売りが出る一方、ハイテク株に買いが入っており、現時点では過度に警戒する必要はないかもしれない。なお、NY原油先物は在庫増加を受けて下落し、期待インフレ率の指標である10年物ブレークイーブン・インフレ率(BEI)は2.65%(-0.04pt)に低下。また、各国債券市場に大きな動きが見られ、米10年物国債利回りも1.54%(-0.07pt)に低下している。

 日本株はこうした景気敏感株売りの影響を受けるとともに、キヤノン<7751>やファナックなど想定外の業績下方修正が相次いでいる。やはり供給制約の影響は重いと見ておいた方がいいだろう。かねて指摘しているとおり、今年度に入ってからのPBR推移を見ると、日経平均29000円前後は各種懸念を織り込んだ水準とは言いづらい。キヤノンやファナックの株価反応はそれを端的に表しているだろう。

 アジア市場では香港ハンセン指数、上海総合指数とも下落。本日は国内でOLC<4661>、武田薬<4502>、ソニーG<6758>、キーエンス<6861>、HOYA<7741>など160社あまりの決算発表が予定され、海外では欧州中央銀行(ECB)定例理事会や米7-9月期国内総生産(GDP)速報値の発表などが予定されている。引き続き国内企業の業績動向や海外経済、金融政策の行方が注目され、後場の取引では軟調もみ合いが続くとみておきたい。
(小林大純)


<AK>

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